SSHDでReadyBoost効果を見る


当HPでは、嘗てWindows7でReadyBoost機能を調べ、検証結果を載せてある。

おさらいになるが、ReadyBoostとは、Windows Vistaから設定できるようになったシステムの一つ。

HDDの弱点である断片化(フラグメンテーション)を補うように、フラッシュメモリにHDDキャッシュ領域の代わりをしてもらう機能だ。

近年のPCは非常に高速になったとは言うが、HDDは基本的にデータのある場所を探し読み書きする動作が入る。

当然、データの読み書きを繰り返せば、HDD内のデータが複雑化、断片化し情報を読み書きするのに時間がかかる。

Windows10のBTOコンピュータを調べると、殆どがHDDでなくSSDを採用している。HDDに比べ、SSDはランダムアクセス対応の為、

読み書き動作が高速で且つ値下がりもしている事から、SSDの需要が高まっていると考えられる。

とは言え、ハードディスクとしての寿命としては、まだまだHDDの方に軍配がある。

そこで目を付けたのがSSHDだ。HDDの磁気ディスク機能にフラッシュメモリを搭載した半デジタル式のハードディスクである。

HDDに比べ読み書き速度の速いSSHDにReadyboostを使用した場合、どれ程早くなるかを検証する事にした。

<SSHDのメリット・デメリット>
  〇SSDより安価
  〇読み書きを安定して出来る回数(寿命)がSSDより多い
  〇HDD同様大容量のデータが保存可能
  〇SSDより安いがHDDと比べるとコストアップ
  〇寿命はSSDより確かに長持ちするが、重量があり衝撃等物理的な事に弱い
  〇HDDに比べ発熱量が多い


動 作 環 境
マザーボード ASRock Z87M Pro4
CPU Inter Core i5 4670K
グラフィックボード Palit NVIDIA GeForce GTX 750 Ti
メモリ A-Data PC3-12800 x4
OS Windows10 Pro

使用するハードディスク・フラッシュメモリ
Seagate ST1000DX001-1NS162 1TB ≪Transcend≫JetFlash710 64GB ≪SAMSUNG≫FIT Plus 64GB


≪検証方法≫
今回の検証は「http://japanism.info/readyboost-sokutei.html」のCafi Net様が行ったReadyBoostの検証方法を参考に検証する。

@ログインを自動化した状態でPCの電源を入れる。その状態から起動し、スタートアップにあるMicrosoft OutlookとMicrosoft Teamsが
  完全に起動するまでを、ストップウォッチで計測する。尚、Outlookは起動後の送受信が完了した状態を、起動完了として扱う。
A起動したら、Crystal Disk Markを用いてデータを取る。
B二つの起動が完了したのを確認後、Crystal Disk Markを流す。
C上記を3回程繰り返す。また、シャットダウンした際には1分ほど放置後に起動する。 これを以下の順で行う

@ReadyBoost無しx3
AReadyBoostあり(JetFlash710 64GB)x3
BReadyBoostあり(FIT Plus 64GB)x3

尚、ReadyBoostとして使うフラッシュメモリは、USB3.0に差し込み、ReadyBoostに設定する。

また、下の表はそれぞれ「BIOS画面」「デスクトップ」「完了」までに到達した際の時間を計測している。

ReadyBoost無し
BIOS画面 デスクトップ 起動完了
@ 11.24 48.97 2:27.21
A 10.85 47.86 3:03.08
B 10.97 46.03 2:21.77

Transcend JetFlash710 64GB
BIOS画面 デスクトップ 起動完了
@ 9.77 39.83 2:01.63
A 10.84 42.58 1:54.68
B 11.02 34.72 1:29.03

SAMSUNG FIT Plus 64GB
BIOS画面 デスクトップ 起動完了
@ 9.68 34.29 2:12.70
A 9.80 35.63 1:33.57
B 10.96 36.74 1:37.02

Transcend JetFlash710 64GB +SAMSUNG FIT Plus 64GB
BIOS画面 デスクトップ 起動完了
@ 10.92 37.79 1:20.97
A 9.74 35.20 1:18.19
B 10.79 35.42 1:23.61

体感的に増設すれば早くなったと感じるが、それでも10秒前後早くなった程度となっている。

32GBx2にしても安定性が増しただけで同等といった結果である。SSDをメインとして使う事が多い中、

HDDを使ったデスクトップPCやノートPCで行うならば違いが分かると思われる。

とは言え、余っているからと言ってUSB3.0に対応していない・最大容量の少ないフラッシュメモリを使うのは、変化がない、逆に遅くなる可能性もある。

十分に力を発揮するならば、USB3.0対応のフラッシュメモリ等を使う必要がある。

別記事でも載せてあるように、新しいものはコストが掛かるが、パフォーマンスの恩義もある。

ReadyBoostを使うのであれば、以下の2点を管理人はお勧めする。

もし、場所を気にせずにコストを抑えたいという方は、スペースは取るが性能を生かす為にUSB3.0対応のフラッシュメモリを使う事をお勧めする。


JetFlash710 64GB
FIT Plus 64GB
USBメモリ 64GB USB3.0
ブラック AUV150-64G-R
THN-U301W0640C4
(USB3.0 64GB ホワイト)





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最終更新日: 2019/05/18